LINEは子供たちにとって安全?「スーパーアプリ」の保護者向けガイド

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メッセージングサービスとして始まったLINEですが、その多機能性により、現在ではアジア圏の何億人ものユーザーから「スーパーアプリ」とみなされています。日本では、LINEのユーザー数は9700万人で、総人口の78%を超えています。このアプリは、台湾やタイ、インドネシアの人々の日常生活にも深く浸透しています。

WhatsAppやSnapchatのような他のメッセージングアプリほど世界の子供たちの間で人気ではないかもしれませんが、日本やアジアのほかの地域では、LINEはあらゆる年齢層で最強のコミュニケーションアプリです。安全機能はある程度備わっているものの、LINEは特に子供向けアプリとして販売されているわけではないため、保護者が認識しておくべき安全上のリスクがある可能性があります。

子供たちはLINEで何ができますか? 

LINEは、WhatsAppなどのアプリと同様に、通話、テキスト、音声、ビデオメッセージ、グループチャットなどの基本的な機能と、タイムライン、ビデオ共有、友達リストなどのソーシャルメディア機能を組み合わせているため、「スーパーアプリ」とみなされています。ユーザーはLINEを使って、支払いの送信、買い物、ニュースの閲覧、ライブストリーミングなども行うことができます。

子供向けアプリとして販売されているわけではありませんが、スタンプなど、LINEの機能の多くは特に若者の間で人気があることが分かっています。LINEには、人気アニメや漫画のキャラクターを含む豊富なスタンプのコレクションがあり、ユーザーは独自のデザインを作成できます。クマのブラウン、ウサギのコニー、ひよこのサリーなどのキャラクターのシリーズで、商品、ゲーム、特別なイベントに登場するこれらをもとにしたものがLINE FRIENDSです。 

若いユーザーは、Instagramのより遊び心がありカスタマイズできるバージョンとも言える、LINEと接続されたLINE Cameraも楽しんでいます。これを使うと、写真を撮ったり、フィルターやスタンプ、装飾を加えて、タイムラインに投稿することができます。TikTokの人気が証明しているように、短編動画は若いユーザーにとって大変魅力的であり、LINEはそれをカバーしています。LINE VOOMは、LINEアプリ内のソーシャルネットワークのサービスで、ユーザーは短編動画やその他のコンテンツを閲覧、アップロード、共有できます。2025年4月現在、LINE VOOMは、日本、台湾、タイでのみ利用可能です。 

LINE:保護者が知っておくべき主なリスク

不適切なコンテンツ

LINEのSafety Centerでは、メッセージを通じてわいせつなコンテンツや違法行為を促すようなコンテンツの共有を禁止していますが、このプラットフォームにはアプリを監視・管理するモデレーションやフィルタリング機能はなく、 ユーザーからの報告のみに依存しています。つまり、子供たちや10代の若者は、プライベートチャットで露骨なメッセージ、リンク、動画、その他のメディアを簡単に共有できることになります。 

LINEアプリ内のソーシャルメディア風のフィードであるLINE VOOMは、自動監視システムと人間のモデレーターチームの両方を使用して、コンテンツがガイドラインに準拠しているかを確認しています。ただし、有害なコンテンツが紛れ込むリスクは常に存在しています。

捕食者

ユーザーは、LINE ID(ユーザー名)、電話番号、またはQRコードをLINE上で共有している誰とでも連絡を取ることができます。若いユーザーを危険な状況から守るために、18歳未満のユーザーが保有するLINE IDは検索に表示されないようになっていますが、これまでのところこの機能は日本のユーザーのみが対象となっています

WhatsAppと同様に、LINEのグループチャットは、適切なプライバシー設定になっていないと誰でも若者を参加に招待できるため、若いユーザーにとって安全上の問題となります。残念なことに、グループチャットは、信頼関係を築いて未成年者を操作するために、捕食者によってよく利用されます。

ネットいじめ

LINEでは、チャット内での積極的な監視が欠如しているため、子供たちが憎しみに満ちた攻撃的なメッセージの標的になる可能性が常に存在します。これは、ユーザーが個人を「集団で攻撃」し、嘲笑の的にするグループチャットで特に問題になる可能性があります。ネットいじめは排除という形をとることもあり、その場合、誰かを意図的にグループチャットや会話から追い出し、孤立感を深めるということもあります。

アプリ内購入

LINEは無料で使用できますが、ユーザーが実際のお金で購入できるアプリ内購入が提供されており、その多くは、スタンプ、絵文字、テーマなど、若い世代を対象としているようです。 メッセンジャーサービス以外にも、LINEではユーザーがアイテムを購入したりアップグレードしたりできるゲームも提供しています。これらのタイトルの中には、ギャンブルと多くの共通点を持つガチャの仕組みルートボックスを取り入れているものもあります。

詐欺

LINEは特定の国で非常に広く使用されているため、プラットフォーム上で様々な形の詐欺が見つかることがあります。これらには、ログイン情報や個人情報、金融情報を盗み出すフィッシング詐欺、友人や家族を装って金銭やデータを得るなりすまし詐欺、初回費用を支払えば信じられないほど儲かるチャンスがあると持ち掛けてくる投資詐欺などが含まれます。 

残念なことに、子供たちは他人、特に権力者や友人、家族を装った人物を信頼する傾向があるため、詐欺師の標的になることがよくあります。また、子供は欲しいものを約束されたときに、詐欺の兆候を見落としたり無視したりする可能性が高くなります。

Two teenagers using Line app

 

10代の若者にとってLINEをより安全に

LINEには、すべての地域で共通の最低年齢要件があるわけではないようです。ヘルプセンターによれば、欧州経済地域(EEA)加盟国のユーザーは16歳以上である必要がありますが、これはEU一般データ保護規制(GDPR)に準拠するためです。米国などのほかの地域では、App storeはLINEを12歳以上のユーザー向けとしてリストしています。ただし、これらのガイドラインを施行するための厳格な年齢確認措置は実施されていません。 

10代のお子様がLINEを使って友達や家族と連絡を取ることを承認する場合、サービスをより安全にするために実行できるいくつかの手段があります:

リスクについて率直に話し合い、期待値を設定する

お子様がLINE、WhatsApp、その他のコミュニケーション、またはソーシャルメディアプラットフォームのどれを使っているにしろ、ネットいじめや虐待の事件が発生する可能性は常に存在します。お子様がこれらの危険性やその他のオンライン上の脅威を認識し、アプリの使用中に動揺したり悩んだりした場合に、保護者や他の信頼できる大人に安心して相談できるようにしておきましょう。  

グルーミングなどの話題について子供たちと話をするのは難しいかもしれませんが、児童心理学者のBeurkens博士は、この大変重要な会話に取り組むための便利なガイド「オンラインの捕食者について子供と話す方法」を共有しています。家族のデジタル同意書を作成することは、一般的なテクノロジーの使用について継続的かつ敬意ある会話を開始し、画面使用時間、個人情報の共有、その他の安全上のリスクに関して健全な期待値を設定するための優れた方法でもあります。

安全のためにプライバシー設定を最適化する

LINEは子供向けに設計されたサービスではないため、ペアレンタルコントロール機能はありません。ただし、お子様のデバイスのプライバシー設定を調整することで、プラットフォーム上での安全を確保できます。重要な設定をいくつかご紹介します:

  • 「他のユーザーがIDで追加できる機能」をオフにすると、他のユーザーがLINE IDを使ってお子様を検索したり接続したりできなくなります。このオプションは、日本国内の18歳未満のユーザーに対しては自動的にオフになります。
  • 「他のユーザーが電話番号で追加できる機能」をオフにすると、知らない人がお子様の電話番号を知っていても、お子様を追加できなくなります。
  • 「友達以外からのメッセージを受信する機能」をオフにすると、知らない人からのメッセージをブロックできます。
  • LINE VOOMでは、「閲覧できるユーザー」を「自分のみ」または「友達」に設定すると、お子様の投稿に誰が反応できるかを制限できます。

 

これらの機能は、LINEでのお子様の安全確保に役立つかもしれませんが、お子様は保護者に知られずにこれらの設定を簡単に元に戻すことができるため、信頼とオープンな会話に代わるものではありません。

お子様がユーザーをブロックおよび報告する方法を知っているようにする

問題のある個人を報告したりブロックしたりする方法を知っておくと、10代のお子様がLINEでより安全に過ごせるようになるだけでなく、LINEやオンライン上の他の場所で起こるかもしれない厄介な状況に対処できるようになります。LINEのユーザーは、チャット内から問題のあるメッセージを報告したり、そのメッセージを送信した人を報告・ブロックしたりできます。ユーザーをブロックするには、「メニュー」をクリックして「ブロック」を選択し、メッセージまたはユーザーを報告するには、「その他」をクリックして「通報」を選択し、指示に従います。  

ペアレンタルコントロールツールを使用する

LINEにはペアレンタルコントロールが搭載されていないため、お子様がLINEを使用する際の安全を確保するために、Qustodioのような包括的なペアレンタルコントロールソリューションを使用することを強くお勧めします。例えば、QustodioのAIを活用したアラートは、お子様のLINE、WhatsApp、Instagram、その他のメッセージングプラットフォーム上でのアクティビティを監視し、いじめ、自傷行為、うつ病、薬物、不登校、その他の気がかりな話題に関連するメッセージのやり取りがあった時にすぐに通知が届きます。 

メッセージアラートを受信する以外にもQustodioでできること:

  • LINEアプリが開かないようにブロックする
  • 子供たちがLINEに費やす時間をモニタリングする
  • 使用制限を設定する
  • アプリを初めて開いたときにアラートを受信する
  • ボタンを押すだけでインターネットへのアクセスを一時停止する

 

LINEは基本的にはコミュニケーションアプリですが、タイムライン、動画共有、ゲーム、ライブストリーミングなど、幅広い機能を搭載しています。これにより、日本やアジア全域で「スーパーアプリ」という評判を得て、絶大な人気を誇っています。この人気は、LINEのソーシャルメディア風の機能やスタンプ、ゲームを特に楽しんでいる子供や10代の若者にも広がっています。 

適切なペアレンタルコントロールなしでは、LINEは、捕食、ネットいじめ、不適切なコンテンツなど、コミュニケーションおよびソーシャルメディアのアプリに共通するリスクに若いユーザーをさらす可能性があります。しかし、オープンな会話をし、プライバシー設定を調整し、ペアレンタルモニタリングツールを活用することで、人気のコミュニケーションアプリで若者たちの安全を確保することができます。 

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